オーバークロックの感想

ベースクロックの変更のみという「お手軽OC」で済ませた分際で恐縮だが、初めてオーバークロックをして感じたことを書きておこう。

まず、これはやる前から分っていたことだが、インターネットの閲覧や各種の作業など、普通にパソコンを使っている状態で、オーバークロックの効果を実感することはほとんどない。多少きびきび動くようになった印象はあるが、これはポラシーボ効果によるものであろう。

ではエンコードなどの重い作業ではどうか。私はよく手持ちの CD を mp3 にエンコードしているが、これは確かに「速くなった」と実感できる。しかし、CD の複数トラックを扱っている場合、リッピングが追い付かなくて、CPU があまり動いていない時間が生じてしまうことが多い。これではオーバークロックの効果も半減である。他方で、ape や ttc など可逆方式の音楽ファイルを(いったん wav に戻してから)mp3 にする場合は、この効果を有効に利用することができる。

動画のエンコードは、オーバークロックの効果がもっとも出やすいものと言われる。が、これについても、あまり実感を得られなかった。確かに速くなったと思うが、例えば二時間の動画をエンコードするとして、4時間が3時間40分になってもあまり嬉しくはない。エンコードの最中は外出か、寝ているか、ともかくパソコンの前を離れているからである。複数の動画を数十時間かけて連続エンコードする場合は当然、大きな時間の節約になるであろう。しかし、これは CPU を痛めそうなので、そもそも私はやらない。

3D ゲームなどはどうであろうか。私はあまりゲームはしないのでわからないが、同じく実感できるほどの効果はないと思う。

要するにオーバークロックの一番の効能は、やる過程でパソコンに詳しくなるということであろう。電圧や周波数、発熱量を計算して、その CPU の最高のパフォーマンスを引き出す――これこそがオーバークロックの醍醐味なのだろう。

何だかんだいって、私もこれまでまったく関心がなかった「水冷」に、興味をもってしまった(笑)。