PFU ScanSnap S1500 FI-S1500

今年も残り二ヶ月あまりとなったが、2010年は「電子書籍元年」といえるであろう。私は iPad も kindle も持っていないものの、やはりこの動向は気になっている。

特に注目しているのは、リーダーよりも「自炊」(電子書籍を自作すること)する道具。いわゆる「ドキュメントリーダー」というやつである。最近ようやく金と時間ができたので、ひとつ購入してみた(裁断器は場所の都合で見送り)。

機種については、悩む必要はなかった。「自炊」マニアの圧倒的な支持を得ている PFU ScanSnap S1500 の一択である。

この機種については、すでに多くの情報があるが、ここでもささやかなレビューを行ってみたい。



箱はでかいが、本体は驚く程コンパクト

最初にセットアップについて。インストールが完了すると、ScanSnap Manager 、ScanSnap Organizer、そして「名刺ファイリングOCR」の三つのアプリケーションがスタートアップに登録される。勝手に起動されるのが嫌なら、スタートアップを解除しても特に問題はないようだ。

次に、いらない洋書一冊を試しにスキャンしてみた。重送(複数の枚数を読み込んでしまうこと)やセンサーの汚れによる縦縞などの問題もあったが、それほど気になるものではなかった(あらかじめ情報を仕入れていたのもある)。スキャニングの速さは格別で、今までフラットヘッド・スキャナでちまちまスキャンしていたのが馬鹿らしくなった。

読み取ったPDFファイルは、Acrobat 9 で OCR 化した。300ページ程度の本で、約15分くらいかかった(CPU Core2Duo E8600 OC 4.00GHz)。ファイルの容量は110MB程度。

裁断、重送(上記の書籍で二回あった)されたものの修正、ページのチェックなどで結構時間をとられ、トータルでは40、50分はかかったと思う。これをどう短縮するかが、今後の課題であろう。

なお、ScanSnap Organizer は PDF リーダーとしてなかなか良かった。

最後に ScanSnap S1500 の画質について。ドキュメントスキャナは速度が命なのでもともと期待していなかったが、やはりいまいちであった。以下は、CanoScan 8600F と比較したものだが、肉眼でも明確なほど差がついている*1



左の画像は CanoScan 8600F、右は ScanSnap S1500 のもの

よって、写真集のようなものには使わない方がいいであろう。

おまけとして、上記の画像のフルバージョンへのリンクを示しておく(サイズ注意)。



左の画像は CanoScan 8600F、右は ScanSnap S1500 のもの

*1:ScanSnap S1500 は「スーパーファイン」、CanoScan 8600F は「300dpi」でスキャンした。