ダークレスで自家現像

世はデジカメ全盛であるが、フィルム(銀塩)写真にも独特の味がある。そんな魅力を愛するカメラファンの強い味方が、100円ショップ「ダイソー」が手掛けていた現像サービスであった。プリントアウトしなければ、文字通りフィルム一本を100円で現像してくれる。大袈裟に言えば夢のようなサービスであった。

これを使って慎しき銀塩カメラ・ライフを送ろうと思っていたが、個人的に忙しく、またダイソーが自宅・職場より遠かったため、しばらく先送りにしていた。で気が付いたら、悲しきかな、上記のサービスは終了していたのであった。

そこで、いっそのこと自分で現像してみることにした。まずはお手軽にすることのできる「ダークレス」を試してみた。価格は必要な機材に一回分の現像液・定着液がついて、某家電量販店で500円くらいであった。



以下はダークレスの中身。左から、パトローネオープナー、定着液(アンプルカッターが付いている)、現像液、タンク、フランジである。



現像するフィルムは以下のもの。メーカー不詳の安い白黒フィルムで、なんでもない風景写真を撮った記憶がある。「ダークレス」で現像できるのは24枚撮りまでだが、まあ実験なんだし、失敗してもよいだろう。



説明書をよく読んで、作業手順を頭に入れる。必要な機材(タイマーなど)を用意して、台所に持って行く。現像液をアンプルから出して、ボトルに入れる。それをタッパー内に置き、お湯を注いで現像液の温度を20〜25度くらいに調節する。また、その間に定着液をフィルム容器に移しておく(アンプルから出すのには時間がかかるから)。



次にハンドルを取り付けたフィルムをボトルに入れ、指定の順序・時間で回転させる。毛細管現象で現像液がフィルムに浸みわたる仕組みである。現像時間は2分30秒。次に定着液をボトルに入れ、同じような作業を今度は4分間行う。



フィルムをボトルから出し、水分を取る。パトローネオープナーでアンプルを開けて、フィルムを取り出す。ここで準備不足が発覚。フィルムクリップを用意していなかった! 36枚撮りのフィルムは長く、過度に丸まってしまう。焦った私は、台所にあったハサミでフィルムを切断してしまった。そのまま洗い物台で洗浄する。



30分ほどの水洗いが終わると、スポンジなどでフィルムの裏面を拭き取り、乾燥させる。私の場合は、洗濯ハンガーを使ってしまった。

以下は乾燥したフィルムをスキャナで読み取ったもの。どうぞ笑っていただきたい。



現像むらやキズなど失敗のオンパレード。それに画像がやや薄く、そもそも現像・定着時間が足りない気もする。ちなみに上記の写真は、Nikon F501 + AF Nikkor 35mm で、3年前に撮影したもの。スキャニングには、Nikon Super Coolscan 5000 ED + VueScan 8.5.33 を使用した。

まあ、楽しければいいのである。次は「ダークレス」ではなく、簡易暗室を使った現像にも挑戦してみたい。