わがオーディオ事始 4-4(スピーカー編)

カセットデッキ、CD プレーヤー、アンプと揃え、ようやく我がオーディオセットが完成間近となった。残るはスピーカーのみである。

そもそも私が単品コンポに目覚めたのは、高校への通学途中にあるオーディオショップで、ダイヤトーンの音を聞いたことがきっかけであった。それは DS-77Z だった。

しかし、DS77-Z は予算的にも場所的にも無理なので、私は弟分の DS-66Z を購入した。他のコンポがすでに今は亡き存在になってしまったの対して、このスピーカーはいまだ現役である。



詳しいスペックは「オーディオの足跡」のページを参照されたい。

本当にいい音がするスピーカーである。私はいわゆる「オーディオ評論」のレトリックは好きではないのだが、低音は十分でかつ解像度が高く、中音部は生々しく、高音の抜けは良い。こうバランスがいいために、ポップスからクラシックまで、ジャンルを問わずオールマイティにこなしてくれるのだ。

また DS-77Z との違いはウーファーのサイズなので、広い部屋で鳴らすことのない私の場合は問題はない。欠点らしい欠点は、スピーカーケーブルをつなぐ端子が小さく、ちょっと太いケーブルだとちょっと付けづらいことくらいだ。



かくして、わがオーディオ環境は完成に至った。苦しいバイトで貯めたお金で揃えただけに、喜びはひとしおであった。と同時に、オーディオに関して少し醒めてしまったのも事実である。ケーブル以外に、機材をあらたにグレードアップさせようという意欲はなくなった。ソフト(CD)の方を揃えるのに集中するようになったのもあるし、経済の悪化とともに高級オーディオ業界が縮小し始めた時期にあたるのも、影響していたのであろう。

いずれにしても、いい思い出である。