Kensington Expert Mouse 7 (EM7)

私が「トラックボール派」になったのは、今から二年程前のことである。キーボードに凝りだして既に一年以上が過ぎており、「キーボードに凝るならポインティングデバイスにも」という、いわば当然の帰着であった。

しかし、思えば時期が悪かった。当時はケンジントンの名機 EM5 が市場からほとんど姿を消しており、また Slimblade のような新機種が発売される気配はまったくなかった。よって、トラックボールを買うとしたら、ケンジントンの EM7 か Orbit、あるいはロジテックの ST-45UPi くらいしか選択肢がなかったのである。

そこで私は EM7 を購入した。高いと思ったが、トラックボールは終息へと向っている気がしたので、追い立てられるように、一番高価な機種を選んでしまったのである。



この機種のレビューは、猫のトラックボールルームTrackball Fan で詳しく行われているので、屋上屋を架すこともあるまい。個人的な印象を述べると、「高級感」という点では、ケンジントンのトラックボールのなかでも格別だと思う。その存在感は圧倒的だ。



ただし、操作性や製品としての細かい詰めは甘い。これはいたる所で指摘されているが、売りであるスクロールリングはシャカシャ音がして不快だし、ボールを支えるルビー支点や光学センサー部分には、ホコリがたまりやすい。私は上記の画像のように、光学センサーの穴はセロテープで塞いてしまった。



また上から見ると気づかないかもしれないが、このトラックボールは傾斜がたいへん急である。上記の画像をご覧いただきたい。これをパームレストなしに使用するのはほとんど不可能である。



それ故に、珍しいことにこの機種にはパームレストが付属している。出来はなかなかで、これがあれば快適にボールを動かすことができる。ただし、トラックボール本体とのジョイント部分のプラスチックの爪が弱く、破損しやすいという欠点はある。かくいう私もそれを折ってしまい、瞬間接着剤で付け直した(笑)。