Nikon Coolscan 5000 ED

これは買って失敗した製品。もちろん、その性能に問題があるのではなくて、私では役者不足であったということである。

私が(銀塩)カメラを趣味としたのは、祖父から形見として、Nikon F501 を譲り受けてからである。といっても頻繁に写真を撮っていたわけではないし、技術はむろん、たいしたことはなかった。

それでもデジタル全盛で、フィルムが消え去ろうとする昨今において、過去の資源を生かすことができ、また銀塩カメラ・ライフを延命できるフィルムスキャナは魅力的な存在であった。

しかし、当時(2007年頃)はすでに、フィルムスキャナの選択肢は少なくなっていた。EPSON の F-3200、Nikon の Coolscan V ED、あるいは通常のスキャナながらフィルムスキャンにも定評のある EPSON GT-X900 ぐらいしか選択肢がなかった。

迷ったのは Coolscan 5000 ED と V ED のどちらを選ぶか。値段は倍近くあるが、一般ユーザーが重要と感じる両者の違いは、マルチサンプルスキャニングの有無と、スキャン速度くらいである*1。へぼカメラマンの私には、はっきり言ってどっちでも良いのだが、あまり明るいとはいえないフィルムスキャナの未来を見据え、思い切って 5000 ED の方を購入することに決めたのであった。



詳しいスペックはニコンの公式サイトをご覧いただきたい。上記は Coolscan 5000 ED の前面と背面の画像。前面では付属のストリップフィルムアダプタ SA-21 を装着してある。これでネガを、アタッチメントなどに付けずに直接スキャンできるのだ(ただし一枚のみのネガは不可)。背面上部の黒い部分は、別売のロールフィルムアダプタ SA-30 を付けるための穴である。

下は横から見た画像。結構な存在感である。





ではスキャン例を示そう。写真自体がへたなのはご容赦願いたい(笑)。ソフトウェアは、付属の Nikon Scan 4 ではなく VueScan を使った。

下記の画像はクリックすると元のサイズで表示されます。サイズがとても大きいので、ご注意ください。



リバーサルフィルム例(2.4MB, 4000 DPI)



カラーネガ例 (5.2MB, 4000 DPI)



白黒ネガ例 (4.7MB, 4000 DPI)

*1:ニコンの公式データによると、35m フィルムを 4000 DPI でスキャンした場合、Coolscan 5000 ED は約20秒、V ED は38秒。