FOSTEX FE80E を使った自作スピーカー

日本の狭い住宅環境では、スピーカーを満足に置けない人も少なくないだろう。かくいう私も、ながらく音楽はヘッドホンでの視聴で我慢していた。

他方で本棚にはちょっとしたデッドスペースが生じていた。幅39cm×高さ12cm×奥行27cm 程度のもので、これでは文庫本も入らず、雑多な書類置き場になっていた。

そんな折、スピーカーの自作が結構簡単にできることを知った。スピーカーのエンクロージャーにはバスレフ式だの、密閉型だの色々な種類があり奥が深い。材料はスピーカーユニットが数千円で、エンクロージャーに MDF など安価な素材を使えば、市販のものよりもだいぶ安上りで作れる。しかも、音質はけっこう良いらしい。

そこで上記のデットスペースにちょうと収まるスピーカーを作ってみた。方式は1ウェイのバスレフ式がいいだろう。ダクトの長さには、ちゃんとした計算式がありちょっと難しいのだが、以下のような設計ソフトがあり簡単に行うことができる。


エンクロージャー設計支援ソフト[sped]

私は定評がある FOSTEX の FE80E をユニットとして、下記のようなスピーカーをデザインした。



MDF のカットはホームセンターでやってもらい、こちらはそれらを接着し、スピーカーユニットやケーブル端子を付け、最後に塗装するだけだった。とはいえ、接着にはクギは使わず「ダボ」をもちいたりして、それなりにこだわったつもりである。制作過程は約一週間くらいだったかな。

で、完成したのが以下。この画像ではあまり目立たないが、塗装にはけっこうむらがあり、ちょっと失敗であった。接着の際に使ったボンドが残っていると、その箇所の塗装が難しくなるのを知らなかったのだ。そもそも、木屑を糊で固めただけの MDF に塗装してもあまり綺麗にはならないのだが。



完成したスピーカーを初めて鳴らした感想は「まあ、こんなものか」。スピーカーは「エージング」という慣らし動作をある程度行う必要があるので、これは仕方がない。しばらくしてみると音質はぐんぐん良くなっていった。この FE80E というユニットは特に女性ボーカルと相性がいいらしく、ドキッとするような音がする。重低音は望むべくもないが、低音がまったくしない訳ではなく、それなりのボリュームはある。

まあ、自己満足が100%なのだが、作ってよかったと思う。

その後、やはり満足できなくなり、実家からダイヤトーンの DS-66Z を持って来てしまった。よって現在は、サブスピーカーとして活躍中である。