わがオーディオ事始 4-1(カセットデッキ編)

音楽をまともに聴き始めたのは、高校生になってからである。最初に購入した SANYO の CD ラジカセでは早々に満足できなくなり、また、まわりにオーディオ・オタク(ただし知識のみ)の友人がいたために、こつこつバイトして単品オーディオを買い揃えるようになったのである。

最初に購入したのはカセットデッキである。金のない高校生に CD を買い漁る余裕はない。よって、レンタルで CD を借り、カセットにダビング(死語)して聴くのがメインであった。まずは良い音質で録音したかったのである。

選んだ機種は TEAC の V-5000 である。いい画像がなかったので、古いフィルムからスキャンしたものでご勘弁いただこう。



TEAC V-5000

それまでのカセットデッキでは、ヘッド部分は通常、左端にあった。それをセンターにもってきた TEAC V シリーズは、当時は衝撃的であった。これはその中堅機種であり、たしか定価は60000円だったと思う。3-HEAD(これも死語だなぁ)やドルビー B/C に加えて、録音時にハイとローの調節ができた。またオレンジのディスプレイが美しい(実はこれが購入のおもな動機であった)。

100本以上録音し、カセットには思えないほどいい音を鳴らした機種であったが、数年前に久しぶりに電源を入れたら動かない。ベルトが伸び切ってしまったのであるが、当時はそんなことも知らず適当に分解してしまい、本格的に壊してしまった。すでにカセットは時代遅れとなっていたので、そのまま廃棄してしまった。今にして思えば、なんと愚かなことか。