オーバークロックのための事前調査1

メイン PC の CPU は Intel Core 2 Duo E8600 である。Core 2 Duo シリーズの最後かつ最速の CPU であるが、発売から一年半がすぎ、特に Core i シリーズの話題が多い昨今は、少し不満に思うようになった。もちろん、これは「気分の問題」で、実際の作業においては何の不満もないのだが(笑)。

ともかく、そうした訳で、そろそろオーバークロック (OC) という「禁断の果実」をかじってみたくなった。

いうまでもなく、CPU のオーバークロックはかなり危険な行為である。場合によっては、ハードを破壊しかねない。よって、それなりの覚悟と知識が必要である。ろくに調べもしないで掲示板で訊くなどもっての他である。

そこで、事前準備として調べたことを書いておく。まず基本的に押えておくべきことは以下。


CPU の動作周波数
動作周波数=ベースクロック×内部倍率
CPU のベースクロックとは?
メーカーや人によって用語が異なるので注意。GIGABYTE では "CPU Host Frequence"、ASUS では "FSB Frequency" とされる。その他にも「FSB周波数(クロック)」、「内部クロック」、「システムクロック」などと呼ばれる。
内部倍率
クロック倍率、CPU倍率ともいう。
電圧の制御
電圧を上げればオーバークロック効率は良くなるが、パーツを痛めるリスクを負う。ベースクロックを上げると、メモリや PCI Express のそれも連動して上がるので注意。

次に自分が使っているマザーボードの設定事項を確認する。私の場合は、GIGABYTE GA-EP45-DS5 である。設定箇所は、BIOS メニューの M.B. Intelligent Tweaker (M.I.T.) である。デフォルトでは以下のようになっていた。





各項目の内容は、以下の通りである。


Robust Graphic Booster
グラフィックスカードのコアクロックやメモリクロックを3段階 ("Auto", "Fast", "Turbo") でコントロールする。
CPU Clock Ratio
CPUクロックのうち、内部倍速を設定する。
Fine CPU Clock Ratio
CPUクロックを、+0.5 刻みで調整できる。
CPU Frequency
CPUのクロック(動作)周波数を設定する。

Clock Chip Control

CPU Host Clock Control
CPU のベースクロックを指定できるか否か。
CPU Host Frequency (Mhz)
CPU のベースクロックを指定する
PCI Express Frequency (Mhz)
PCI Express のクロック周波数を指定する
C.I.A.2
GIGABYTE 独自の自動オーバークロック機能。5つのモード ("Cruise", "Sports", "Racing", "Turbo", "Full Thrust") がある。
Advanced Clock Control
スキューと呼ばれる電子回路でのクロックのズレなどを設定するためのサブメニュー。オーバークロックでもほとんど利用しない。

DRAM Performance Control

Performance Enhance
メモリアクセスのタイミングを高速化する設定。標準では比較的安全性の高い "Turbo" になっている。オーバークロック時は安定性を優先して、無効の「Standard」に設定するのが一般的。
(G)MCH Frequency Latch
不明。
System Memory Multiplier (SPD)
メモリの倍率を設定する。DDR2-800 のメモリの場合は、"2.40" に設定する。
Memory Frequency (Mhz)
メモリの周波数を設定する。
CAS Latency Time
CAS (column address strobe) レイテンシの設定。数が少ないほど速い。通常はメモリの仕様に合わせる。
tRCD
未調査
tRP
未調査
tRAS
未調査
Advanced Timing Control
メモリのその他のアクセスタイミングを設定するたのサブメ二ュー。用意されている設定は、"tRRD", "tWTR", "tWR", "tRFC", "tRTP", "Command Rate(CMD)" の6つ。

Mother Board Voltage Control

CPU Vcore
CPU の電圧を設定する。
CPU Termination
システムバスの終端電圧の設鼠回路を電流が流れた際に減衰が生じ、終端ではその電圧が定格レベルに達しない場合がある。そこで、終端電圧をかけることでレベルの引き上げを行なうというもの。。基本は "AUTO" で問題はない。
CPU PLL
PLL(Phase Locked Loop)IC で生成されるクロックの電圧設定。ベースクロックを生成している重要な箇所となるため、オーバークロックの際には同項目の設定値を引き上げる場合も多い。
CPU Reference
クロックの 0 と 1 の基準となる電圧の設定。CPU PLLが1.5Vの場合、リファレンス電圧はその半分となる 0.75V 付近が望ましい。CPU PLL の設定値を高めるのであれば、ここの電圧も少し上げたほうがよい。
CPU Reference2
不明
MCH Core
チップセットのMCHのコア電圧設定。オーバークロック用途でも変更することはほとんどない。
MCH Reference
MCH のリファレンス電圧の設定。MCH のクロックも PLL IC で生成されているものなので、リファレンス電圧も CPU PLL が 1.5V ならその半分程度が基準となる 。
MCH/DRAM Reference
メモリーコントローラーのリファレンス電圧。DDR2 SDRAM の場合、メモリの定格電圧は 1.8V となるため、リファレンス電圧はその半分の 0.9V となる。
DRAM Voltage
メモリの電圧を制御する。
DRAM Termination
メモリの終端電圧の設定。メモリ電圧を高めるのであれば、終端電圧も少し上げたほうが安定する可能性が高い。
Channel A Reference
メモリのリファレンス電圧の設定。チャンネル A とチャンネル B のそれぞれ個別に設定することが可能。"Auto" でよい。
Channel B Reference
同上。

今回は以上である。次回はオーバークロックに使用するソフトを紹介する。